ナラナラ・スクール


開校のことば

 いま、わたしたちはあらゆる危機に直面しています。戦争、環境汚染、感染症、貧困、差別、孤独、いじめ、家族崩壊、等々……。どこにも解決策が見えないなか、どのように未来を生きていけばよいか分からない状況です。もしかしたら核戦争が起きて世界の終わりが来るのではないか、という時代に突入しています。
 しかし、さまざまな不安がつのればつのるほど、わたしたちは「考える」ことをつづけなければいけません。古来、人類はどのような危機の下でも「考える」ことを絶やさずに危機を乗り越えてきました。「考える」こと、つまり「哲学(てつがく)する」ことでわたしたちは生きていけるはずです。昨日まで当たり前であったことが、今日当たり前でなくなることを絶え間なく「考える」こと。哲学がこれからの時代、真に求められます。

 そしてさらに求められることは、自分の考えを他者に「語る」ことです。また他者の「語り」に耳を傾けることです。英語で「語り」のことを「narrative(ナラティヴ)」と言います。ただ「talk(トーク)」や「speak(スピーク)」「chat(チャット)」と同じようで違います。「narrative(ナラティヴ)」には「物語」という意味が含まれます。単におしゃべりをするのではなく、自分の考えを丁寧に他者に「物語る」のです。そうすることで、わたしたちははじめて自分自身を知ることができ、また他者に自分を理解してもらうことができます。また他者の「物語」を聞くことで、その人をより深く理解することができます。

 「ナラナラ・スクール」の「ナラナラ」は、この「ナラティヴ」から取りました。このスクールは、これからの世界を作っていく若い人たちのための場所です。未来に向かっていく一人ひとりの「物語」が互いに響きあい、それぞれにとってあたらしい世界を発見できる場所でありたいと願います。   
                           スクール主宰 中村剛彦


哲学教室 
対象:小学5年~中学3年]
 世界で読まれている名作児童文学を読みながら、作者のメッセージを汲みとり、「生きること」の意味について考え、語り合います。
 読書が苦手であったり、国語が苦手な方でもまったく問題はありません。この哲学教室は国語力を競う場ではないので、設問を設定して回答を求める方法をとりません。
大人になっても読み返す価値のある名作が持っているゆたかな想像力と智慧を学び、自分自身の力で哲学することの大切さを学ぶ場です。
 もちろん国語力向上を目的にする方にも適しています。すぐれた本を丁寧に読むことこそが、国語力向上の基本だからです。

小学生の部:毎週日曜日17:00〜17:50   (2023年1月22日スタート予定)
中学生の部:毎週木曜日17:00〜18:00   (2023年1月19日スタート予定)
*講師、生徒の都合によって、曜日と時間を変更する場合があります
*小学生の部と中学生の部はそれぞれ学年毎には分けません。

*参加者それぞれの都合にその時々対応し、臨機応援に曜日が違う日も行います。
*高校生、大学生の部も時期をみて開きたく思いますが、ご希望があればすぐに開きます。
●授業料:無料 
●定員(各部):5名。 *定員になり次第締切とさせていただきます。
 しばらくはオンラインで進めますが、コロナの感染状況をみながら、オフラインでもできる環境を持ちたく思います。オンライン・アプリはZoomを使用しますので、Zoomが使用できるPC、タブレット、スマートフォンをご用意ください。 

 2023年に取り上げるのは、新訳が出たばかりのジョナサン・スウィフト『ガリバー旅行記』(柴田元幸訳)です。毎週1回、1章〜3章のペースで読んでいきます(4部構成、全39章)。受講者には事前にお知らせする章まで読んできていただきます。途中からの受講も可能ですが、その場合は受講される回の章まで読んできていただきます。また本は各自でご購入ください(朝日新聞出版、2000円+税)。
・Amazonページ→https://amzn.asia/d/doQgRyL
 

ジョナサンスウィフト(1667ー1745)Jonathan Swift
風刺作家、牧師。アイルランドのダブリンで生まれた。イングランドに渡り、外交官のサー・ウィリアム・テンプルの秘書になった。後に、ダブリンの聖パトリック大聖堂主任司祭となる。その後、詩を書き、風刺物語『桶物語』(1704)で世界の宗教的、知的自己満足を風刺し、幅広い政治的・宗教的評論やパンフレットを発表した。1726年に『ガリバー旅行記』を出版。
柴田元幸(しばた・もとゆき)
1954年生まれ。翻訳家、東京大学名誉教授。文芸誌「MONKEY」編集人。
翻訳に、レアード・ハント『ネバーホーム』(朝日新聞出版)、『ハックルベリー・フィンの冒けん』(研究社)、エリック・マコーマック『雲』(東京創元社)など多数。著書に『翻訳教室』(朝日文庫)など。2017年、第6回早稲田大学坪内逍遥大賞を授賞。


*ご希望があれば保護者の方もご参加いただけますが、ご本人の自由な思考や発想の妨げにならないようにご配慮をお願いします。
*ご本人、保護者の方からのお問合わせ、お申し込みはこのページの下にあるお問合
せ先までお願いします。 


プロフェッショナル・ナラティヴ・サロン
対象:小学5年〜高校3年]
第1線で活躍するさまざまな職業人と直接対話をし、これからの生き方を模索するサロンです。医師、音楽家、建築家、ジャーナリスト、編集者、デザイナー、喫茶店主、映画カメラマン、プログラマー、看護師、僧侶、経営者などを予定しています。
●参加費:無料
【本年のスケジュール】
「哲学教室」にご参加の方と相談して、適宜日程を決めたく思います。
しばらくはオンラインで進めますが、コロナの感染状況をみながら、オフラインでもはじめられる環境を持ちたく思います。


作文・小論文・文章創作教室
対象:小学5年〜高校3年]​​​​​​​ 
 思考力、読解力、表現力を身につける教室です。原則、受験対策ではありませんが、小論文受験に関する相談は受け付けます。
 授業料は無料ですが、中高校生の場合、内容の難易度に応じて準備代として講師代をいただきます。1コマ(50分)の授業です。またご要望があれば英語学習もサポートします。
*受講資格:「哲学教室」に定期的にご参加の方。

スクール主宰・講師プロフィール
中村剛彦(なかむらたけひこ)。1973年、横浜生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒業。
詩人、評論家、朗読家、編集者。
大学卒業後、大手予備校、個人塾等で国語、英語、小論文の指導をしながら詩の出版社ミッドナイト・プレスの副編集長をつとめる。
著書に、詩集『壜の中の炎』、詩集『生の泉』(ともにミッドナイト・プレス)。評論に共著『半島論 文学とアートによる叛乱の地勢学』(響文社)、『ただ、詩のために──岡田幸文追悼文集』(ミッドナイト・プレス、編集)。その他文芸誌、WEB等に文芸評論、映画評論等を多数執筆。2019年より本スクールの母体となる「語り」のウェブサイト「ナラティヴ ナラティヴ」(https://narranarra.com)主宰。
2022年9月から横浜のコミュニティラジオ「横浜マリンFM」で毎月第2第4金曜日に「詩人中村剛彦の折々の詩」担当。→https://www.marine-fm.com
 朝日新聞「あるきだす言葉たち」
(2017年3月15日掲載)

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(矢口ゆり)
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Illustration : Tomoaki Furuya
© 2022 Takehiko Nakamura