ナラナラ・スクール


開校のことば

 いま、わたしたちはあらゆる危機に直面しています。戦争、環境汚染、感染症、貧困、差別、孤独、いじめ、家族崩壊、等々……。どこにも解決策が見えないなか、どのように未来を生きていけばよいか分からない状況です。もしかしたら核戦争が起きて世界の終わりが来るのではないか、という時代に突入しています。
 しかし、さまざまな不安がつのればつのるほど、わたしたちは「考える」ことをつづけなければいけません。古来、人類はどのような危機の下でも「考える」ことを絶やさずに危機を乗り越えてきました。「考える」こと、つまり「哲学(てつがく)する」ことでわたしたちは生きていけるはずです。昨日まで当たり前であったことが、今日当たり前でなくなることを絶え間なく「考える」こと。哲学がこれからの時代、真に求められます。

 そしてさらに求められることは、自分の考えを他者に「語る」ことです。また他者の「語り」に耳を傾けることです。英語で「語り」のことを「narrative(ナラティヴ)」と言います。ただ「talk(トーク)」や「speak(スピーク)」「chat(チャット)」と同じようで違います。「narrative(ナラティヴ)」には「物語」という意味が含まれます。単におしゃべりをするのではなく、自分の考えを丁寧に他者に「物語る」のです。そうすることで、わたしたちははじめて自分自身を知ることができ、また他者に自分を理解してもらうことができます。また他者の「物語」を聞くことで、その人をより深く理解することができます。

 「ナラナラ・スクール」の「ナラナラ」は、この「ナラティヴ」から取りました。このスクールは、これからの世界を作っていく若い人たちのための場所です。未来に向かっていく一人ひとりの「物語」が互いに響きあい、それぞれにとってあたらしい世界を発見できる場所でありたいと願います。   
2022年9月1日 
スクール主宰 中村剛彦

★「ナラナラ・スクール」オンライン説明会(Zoom)を開催します。
参加費:無料

本スクールのコンセプト、「哲学教室」の概要、進め方等について主宰の中村が説明いたします。
ご希望の方は、本サイトの一番下にあります「お問合わせ・お申し込み・ご相談」先メールまでご連絡ください。日程調整をさせていただきたく思います。

哲学教室 
 世界で読まれている名作児童文学を読みながら、作者のメッセージを汲みとり、「生きること」の意味について考え、語り合います。
 読書が苦手であったり、国語が苦手な方でもまったく問題はありません。この哲学教室は国語力を競う場ではないので、設問を設定して回答を求める方法をとりません。
大人になっても読み返す価値のある名作が持っているゆたかな想像力と智慧を学び、自分自身の力で哲学することの大切さを学ぶ場です。
 もちろん国語力向上を目的にする方にも適しています。すぐれた本を丁寧に読むことこそが、国語力向上の基本だからです。


第5期「哲学教室・「銀河鉄道の夜」編」(2024年10月13日〜)
中学生の部:毎週日曜日17:00〜17:50   
高校生の部:毎週日曜日18:00〜18:50  
*小学生の部(小5〜)は現在参加者がいないので開催していませんが、ご希望の方は開催しますのでご連絡ください。今後、大学生、社会人(20歳以下)の部も開きたく思います。
保護者の部:毎月第3or第4日曜日15:30〜16:20 
*中学生の部、高校生の部はそれぞれ学年毎には分けません。また、中村と1対1でじっくりと本を読んでゆきたい方は、平日または土曜日に「プライベート・クラス」の日程調整をさせていただきます。
*講師、生徒の都合によって、曜日と時間を変更する場合があります

*期の途中からでも参加できます。
*保護者の部は参加希望者のみ。
●授業料:無料 *各期の終了後に少額の寄付(任意)を受け付けています。
●受講資格:「ナラナラ・スクール」のコンセプトにご賛同いただき、本サイト「
免責事項」「プライバシー・ポリシー」に合意いただいた方。
●定員(各部):10名。*定員になり次第締切とさせていただきます。
●オンライン・アプリはZoomを使用しますので、Zoomが使用できるPC、タブレット、スマートフォンをご用意ください。
 

 第5期に取り上げるのは、宮沢賢治『銀河鉄道の夜』(岩波少年文庫012)です。毎回1章〜2章のペースで読んでいきます(全9章)。同書収録のその他の短編童話「やまなし」「貝の火」「なめとこ山のくま」「オッペルとぞう」「カイロ団長」「雁の童子」も読んでいきます。参加者同士で本を読んで感じたこと、考えたこと、疑問に思ったことなどを相互に語りあう形式です。中村はオブザーバーとして、適宜語り合いを深めていきます。
本はあらかじめご購入ください。(岩波少年文庫012・847円〈税込〉)。
・Amazonページ→https://amzn.asia/d/1vhco4B


【参考】
第1期:ミヒャエル・エンデ『モモ』(2022.9〜2022.12)
第2期:ジョナサン・スウィフト『ガリバー旅行記』(2023.1〜2023.9)
第3期:サン=テグジュペリ『星の王子さま』(2023.10〜2024.3)
第4期:ルイス・キャロル『不思議の国のアリス』(2024.4〜2024.9)
ナラナラ・スクール事務局・矢口ゆりによるnote記録:https://note.com/narranarraschool

*ご希望があれば保護者の方もご参加いただけますが、ご本人の自由な思考や発想の妨げにならないようにご配慮をお願いします。
*ご本人、保護者の方からのお問合わせ、お申し込みはこのページの下にあるお問合
せ先までお願いします。 ​​​​​​​


【オプショナル・コース(有料含む)】

プロフェッショナル・ナラティヴ・サロン

 第1線で活躍するさまざまな職業人と直接対話をし、これからの生き方を模索するサロンです。医師、音楽家、建築家、ジャーナリスト、編集者、デザイナー、喫茶店主、映画カメラマン、プログラマー、看護師、僧侶、経営者などを予定しています。

対象:小学5年〜高校3年
年3、4回開催
受講資格:「哲学教室」に定期的にご参加の方。
受講料:無料
次回:2024年内に一度開催予定ですが、現在調整中。

詩の教室

 優れた詩人でもある宮沢賢治の詩を鑑賞しつつ、詩を書くことの楽しさを学びます。
 
対象:小学5年〜高校3年
毎週1回開催。*受講希望者のご都合と調整し曜日と時間を決定します。 
受講資格:「哲学教室」に定期的にご参加の方。
受講料:1コマ(45分)500円
 *初回講座「詩ってなあに?」は無料です。
 

小論文教室

「哲学教室」の参加者が、さらに思考力、読解力、表現力を身につける教室です。「哲学教室」で読む本を自分なりに分析し論じていきます。
 
対象:小学5年〜高校3年
毎月1回開催。*受講希望者のご都合と調整し曜日と時間を決定します。 
受講資格:「哲学教室」に定期的にご参加の方。
受講料:1コマ(45分)500円
 *初回講座「小論文って何?」は無料です。
 *受験対策をご希望の方は、難易度によって追加料金にて受け付けます(応個別相談)


英語教室

「哲学教室」で扱う本の英書を丁寧に読み、英語力を伸ばします。
 しばらくは第4期で扱った『不思議の国のアリス』の英語版『Alice's Adventures in Wonderland 』(講談社英語文庫、858円)を読みます。 
・Amazonページ→https://amzn.asia/d/iJcPmb3

 その後、中学2年生以上は『銀河鉄道の夜 The Night of the Milky Way Train 』(ラダーシリーズ Level 2、880円) を読みます。
・Amazonページ→https://amzn.asia/d/i214SFO​​​​​​​

小学生、中学1年生は、Penguin Readersの簡略版『Alice's Adventures in Wonderland 』(1210円)を読みます。
・Amazonページ→https://amzn.asia/aWq8VX4


対象:小学5年〜高校3年
*隔週開催*参加希望者全員のご都合に合わせ適宜調整します。  
*受講資格:「哲学教室」に定期的にご参加の方。
*受講料:1コマ(45分)500円  
 
 「哲学教室」参加者のご希望により、国語教室、社会教室もはじめましたので、ご興味のある方はお問い合わせください。
 学校の中間・期末試験対策、受験対策をご希望の方は、難易度によって追加料金にて受け付けます(応個別相談)。

スクール主宰・講師プロフィール
中村剛彦(なかむらたけひこ)。1973年、横浜生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒業。
詩人、評論家、朗読家、編集者。
大学卒業後、大手予備校、個人塾等で国語、英語、小論文の指導をしながら詩の出版社ミッドナイト・プレスの副編集長をつとめる。
著書に、詩集『壜の中の炎』、詩集『生の泉』(ともにミッドナイト・プレス)。評論に共著『半島論 文学とアートによる叛乱の地勢学』(響文社)、『ただ、詩のために──岡田幸文追悼文集』(ミッドナイト・プレス、編集)。その他文芸誌、WEB等に文芸評論、映画評論等を多数執筆。2019年より本スクールの母体となる「語り」のウェブサイト「ナラティヴ ナラティヴ」(https://narranarra.com)主宰。
2022年9月から横浜のコミュニティラジオ「横浜マリンFM」で毎月第2第4金曜日16:00〜16:25「詩人中村剛彦の折々の詩」担当。→https://www.marine-fm.com
 朝日新聞「あるきだす言葉たち」
(2017年3月15日掲載)

◉お問合せ・お申し込み・ご相談
ナラナラ・スクール事務局
(矢口ゆり)
以下のメールマークをクリックしてメールでお送りください。
後日、narranarra.school@gmail.comよりお返事をいたします。
お気軽にお問い合わせください。
*narranarra.school@gmail.comが迷惑メールに振り分けられないよう設定をお願いします。
本スクールの活動への寄付を受け付けています。上記のメールマークをクリックし、メールをいただけましたら、後日詳細についてご連絡をいたします。何卒、よろしくお願いします。
Illustration : Tomoaki Furuya
© 2022 Takehiko Nakamura